かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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工房日記の記事一覧

ぼかし染め(刷毛ぼかし)

DSC02951 刷毛を使う「ぼかし染め」のお話です。 今回は、初の動画にチャレンジです!!

作業机を写真のようにセットしています。 動画は手元しか映っていないので、
周りは写真から 想像してください。

あらかじめドーサを引いた紙を使います。

最初に水を引きます。

次に顔料をのせ、三種類の刷毛を使って色を広げるように ぼかして行きます。

布で拭いているのは、刷毛を乾いた状態で使うためです。 刷毛筋が出ないようにしています。

ぼかす位置を変えながら、続けて染めていきます。 広げて乾燥させます。

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この後に、墨流しを入れたり、箔を撒いたりといった作業に移ります。

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県産品展示コーナー

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茨城県庁舎二階に、県産品の展示コーナーがあります。
今月は展示替えなので、今日新しいかな料紙を送りました。

一年間飾って頂くので、少し明るい感じの大色紙(27㎝×24㎝)を選んでみました。
破り継の料紙です。

もし県庁に行かれることがありましたら、ちょっと覗いて頂けたら嬉しいです。

早春の料紙

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継紙の大色紙です。(8寸×9寸)(24㎝×27㎝)

二月十七日、フェイスブックの投稿に感激しました。
「なんと、良い色!!」

常陸太田市旧里見地区で木の里農園と営む布施大樹さんの投稿です。
まだ残雪の残る小川に桜色の大根が浮かんでいる写真でした。

大根の色と残雪の白、小川のきれいな流れ。
ずっと、投稿の写真が忘れられず、記憶の真ん中に柔らかに残り続けていました。
そこで、その柔らかな印象をかな料紙で表現してみました。

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ここに早春の歌を一首。俳句を一句。言葉を一言。

感じるままに、書いて頂けたら
なんてことを、妄想しています。

残念なことは、下の大切な部分の色がどうしてもうまく撮れないことです。
背景を濃くすると益々わかりにくくなってしまいます。
実際は、大根の色に見立ててぼかし染めになっているのが
もっとハッキリわかります。

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もし、フェイスブックにアカウントをお持ちの方。
ぜひ、布施さんの投稿をご覧になってください。

私(小室久)のフェイスブックにもシェアしています。(2月17日です)

木の里農園にはウェブサイトがあります。
こちらも是非、ご覧下さい。
余談ですが、私のウェブサイトを作ってくれた
同じデザイナーさんのお仕事です。

    木の里農園

      http://konosato.com/

野毛(のげ)

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今日は野毛を作る工程をお話しようと思います。

写真が銀の野毛です。
これを竹筒に入れて紙の上に撒きます。

野毛を作る最初の作業は合わせ箔を作ることです。
合わせ箔は、二通りの方法があって

  熱によって合わせる・・・・・截金(きりかね)、大きめの切箔などに使います。
  ドーサによって合わせる・・・・・野毛を作るときに使います。

今回は、ドーサ液で張り合わせる方法で作ります。
ただ、この方法は一年の内でも限られた時期にしか作れないので
また改めて投稿したいと思います。

今回は、合わせ箔になっているところからです。

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この写真は、箔合わせをしてから短冊状に切った状態の箔一枚です。

ここまでで、全行程の9割です!
野毛作りは、箔合わせでほとんど質が決まってしまいます。

木の板に薄い和紙を張り、そこに一日一枚のペースでドーサ液で箔を
重ねて張っていきます。
基準は5枚です。
そのあと、和紙を取り除き短冊状に切ります。
厚く固くなった箔はこうして、竹のピンセットで持ち上げることが出来るくらいになります。

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このように短冊状のものを15枚重ねて、一度に切ります。

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これが野毛を切る台です。
竹を半分に割り、その曲面を利用して切ります。

セルロイドのシートを使っているのですが、これは刃ガ竹に直接あたらないために
使っています。合わせた箔も同じもので挟んであります。

色々なもの使ってみて、今のところこの材質が良いようです。ちょっと意外ですが。

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刃物は、和カミソリです。
これで、極細く切り刻んでいきます。

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切っているところです。
一回切ると15本の野毛が出来ます。

紙に撒いたときに、針のように真っ直ぐになるように。
そのために、このような工程が必要になります。

野毛を使った古筆と言えば、元永本古今集です。
今度、元永本の料紙を見る機会がありましたら、ぜひ注目してください。

裂箔(さきはく)

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今日から三月。
梅雨前のころまで、料紙の加工には良い季節です。

今日は、裂箔の事を書こうと思います。
裂箔は、箔を竹のピンセットで不規則に破ったものです。

箔は金属だと付いてしまうため、竹製のアイバシと呼ばれるピンセットを使います。
偶然によるところが多いので、思いもよらない形になったりもします。

敢えて形を整えるときは、ピンセットを二つ使って調整することもあります。

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このように、あらかじめ必要なだけ作っておいて、箔を撒く作業の時に使います。
裂箔は撒かずにピンセットを使ったり筆を使ったりして、目標の場所に置くようにします。

裂箔の効果はとても大きく、一瞬で場面が華やかになります。

扇面法華経冊子
平家納経
西本願寺本三十六人家集
源氏物語絵巻

これらの古筆には裂箔を使った表現が多くみられます。
図版を見る機会がありましたら、注目してみて下さい。

筑波大学 修了制作展

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今日は、茨城県つくば美術館に筑波大学の修了展を見に行ってきました。

写真の屏風は、江戸初期の烏丸光廣「聚楽行幸和歌巻」の臨書作品です。
料紙の製作をさせて戴きました。

作者の方との出会いは、平成24年11月。
私が講師の一人として参加した、和紙文化講演会でした。
そこで料紙製作の依頼を受け、工房にも訪ねて来て下さいました。

とても熱心な方で、一生懸命作品制作に取り組んでいることが伝わってきます。
こうして展示されている作品を拝見して、感激しました。

修了展は、今月23日まで開催されています。

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ここで「聚楽行幸和歌巻」の料紙のお話を少し。

元の装丁は巻物で、8紙を使って書かれています。
色使いは原本に倣っていますが、以外と斬新です。
料紙の上部に一文字に木版で文様が入っています。

龍の文様の連続ですが、ちょっとユーモラスな感じの龍ですね。

(作者の方から、ブログ掲載の許可を頂いています。)

砂子を作る作業 続き

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砂子を作る作業の続きです。

今回は銀箔の切り廻しを使ってみます。銀砂子です。
前回より細かい砂子を作ります。

始めに使うフルイは前回と同じ目のものを使って
細かくします。

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さらに細かい目のフルイに移します。
目の数で言うと4倍くらい細かくなっています。
今度は、染色用の刷り込み刷毛で丁寧にフルイを通します。

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フルイを通った後の砂子です。
白い紙だとわかりにくいので、染め紙の上に落としてみました。

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桐箱に入れて保存しておきます。

砂子は、あて無しに撒いたり、霞状に振ってみたり、型を置いて撒いたりと
紙に撒くときに、色々な方法があります。

金砂子を作る作業

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金砂子は、箔をフルイで細かくして作ります。

箔は「切り廻し」と言って、箔打ちの終わった箔を四角に整形する時
周りの落とした部分を使います。
箔は枚数で売られていますが、切り廻しは重さで売られています。

さて、その切り廻しをフルイに入れます。今回は荒いタイプの砂子を作ります。

フルイの中に入れた切り廻しを、茶筅(ちゃせん)の古いものを使って
丁寧に少しづつフルイを通していきます。

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フルイの下に出た箔です。
この時点では、砂子の大きさにばらつきがあります。

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今度は、少し目の細かいふるいに移します。
これで細かすぎる砂子を取り除きます。

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これは、少し目の細かいフルイを通って下に落ちた砂子です。
これは細かいタイプの砂子を作るときに使うため、とっておきます。

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こうしてフルイの中にある程度大きさのそろった砂子が残ります。
これを桐箱に入れて保存しておきます。

砂子の大きさは、古筆に使われている料紙をもとにして作ります。
実際に紙に撒いてみてから古筆と比較し、フルイの目の大きさを調整します。

箔装飾の料紙には、まだいくつか用意するものがあります。
紙に撒くまでにあと何回更新するでしょうか?
どうぞもう少しお付き合いください!

金箔を切る作業 続き

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金箔を切る作業の続きです。
一つの料紙を作るのに通常、大切、中切、小切の三種類を切り分けます。
前回アップしたものが大切で、この写真は中切です。

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この写真は小切です。
短冊に切っていく作業は同じで、切幅だけが違います。

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切った箔を集めているところです。
丁寧に手前の隅に集めます。

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箔と箔の間に挟んである紙をつかいます。
紙の上に切った箔を落としています。

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紙を折って包みにした状態です。
この包みを必要なだけ作り、箔を撒く工程に移ります。

次回は、砂子を作る工程を説明したいと思います。
砂子は、切らずにフルイを使って箔を細かくします。
砂子の大きさは、フルイに張ってある網の目の大きさで決まります。

「サライ」

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小学館発行の雑誌「サライ」に掲載して頂きました。
二月号、日本美術の技というシリーズの18回目です。

ウェブサイトを公開して間もなくの事、編集の担当の方から連絡を頂きました。
「ウェブサイト見ました。」
まだ、検索サイトにも出ていない頃でしたので驚きでした。

3ページを使った記事にして頂きました。
「サライ」をお手に取る機会がありましたら、ご覧頂けたら嬉しいです。

   (「サライ」表紙のブログ投稿への使用について、担当の方から許可を頂いております。)

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