かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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裂箔(さきはく)


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今日から三月。
梅雨前のころまで、料紙の加工には良い季節です。

今日は、裂箔の事を書こうと思います。
裂箔は、箔を竹のピンセットで不規則に破ったものです。

箔は金属だと付いてしまうため、竹製のアイバシと呼ばれるピンセットを使います。
偶然によるところが多いので、思いもよらない形になったりもします。

敢えて形を整えるときは、ピンセットを二つ使って調整することもあります。

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このように、あらかじめ必要なだけ作っておいて、箔を撒く作業の時に使います。
裂箔は撒かずにピンセットを使ったり筆を使ったりして、目標の場所に置くようにします。

裂箔の効果はとても大きく、一瞬で場面が華やかになります。

扇面法華経冊子
平家納経
西本願寺本三十六人家集
源氏物語絵巻

これらの古筆には裂箔を使った表現が多くみられます。
図版を見る機会がありましたら、注目してみて下さい。

コメント

  1. 徳橋恭子 2014.03.01

    こんにちは。
    箔を見ると緊張が走ります。
    あの雲を掴むような感覚が未だにあって緊張してしまいます。でも本当にパッと華やかになりますね。品良く華やぐ、さじ加減も難しいです。
    花粉の時期も箔は厳禁です〜。Σ(゚д゚lll)

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      小室 久 2014.03.01

      徳橋様、ありがとうございます。
      印象が強い分、全体のバランスに気を使います。
      鼻がムズムズしたら、すぐに席を立つ!です。
      一度、派手に飛ばしたことが。

  2. 2014.03.01

    こんにちは

    3月、こちらは雨です

    裂箔と云うんですね。名前は知りませんでした。
    いつもいい勉強になります。

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      小室 久 2014.03.01

      崖様、ありがとうございます。
      こちらも朝から雨が降っています。
      予報ではこれから雪なので、ドキドキです。

      捨泊(すてはく)とも呼ぶことがありますが、裂箔のほうが
      きれいですよね。

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