かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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工房日記の記事一覧

おめでとうございます。

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

昨年は、ブログを見て頂きありがとうございました。
今年も更新を続けていきますので、
時々のアクセスをよろしくお願い致します。

皆様にとって良い一年となりますよう
お祈り申し上げます。

写真は、高知県室戸岬の日の出です。

金箔を切る作業

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箔盤の上に、金箔を置きます。

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始めに竹刀を使って、金箔を短冊状に切っていきます。
大きさにばらつきが出ないように等間隔に切ります。

竹刀を軽くあてるようにして上下に動かして
ほとんど力を入れずに作業します。

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一通り切り終えたところです。

次に90度まわして、また端から切っていきます。

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このように、縦横に短冊状に切ることによって

四角い切箔になります。

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拡大すると荒が目立ちますね。
ちょっと恥ずかしい!

作業そのものは単純なことの繰り返しです。
難しいところは、金箔の扱いが慣れないと
なかなか思い通りにいかないところでしょうか。

次回は、箔盤から包みに移すところなど
切る以外のことも、少し触れてみたいと思います。

映画「かぐや姫の物語」のお話


映画「かぐや姫の物語」にかな料紙が使われています。

オープニングの題名の背景とそれに続くクレジットの背景に
数枚使って頂きました。

多くが書芸文化新社版「本願寺三十六人集」の出版に製作した料紙です。
ここで、書芸文化新社版のお話をしようと思います。
次の写真は販売用のパンフレットです。

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昭和46年、飯島春敬先生監修のもとに進められた「本願寺本三十六人集」の複製事業です。
コロタイプ印刷による原本の複製と、料紙を再現する「抄出複製」が製作されました。

この料紙を再現した、三十六歌仙一歌人につき一枚作られた「抄出複製」が
今回使われた料紙です。
途中長い間の中断もあり、完成したのが平成11年4月でした。(限定150部)

祖父から三代、この仕事に係わったことになります。
私は、最後に作られた「伊勢集」「信明集」「重之集」「赤人集」「元真集」の五つの製作に
参加しました。

もし、これから映画をご覧になる方がいらっしゃいましたら
ほんの数十秒の間ではありますが気に留めてもらえたら嬉しいです。

映画は、期待どおりの高畑監督の世界です!!

日の出

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朝もやのなか、日の出が幻想的できれいでした。
すぐに晴れてしまったので、ほんの少しの間の光景でした。

箔を切る竹刀

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箔を箔盤の上に乗せ、竹の刀で切ります。
節のほうを持つための箇所として残し、途中から刃を付けてあります。
竹といっても篠竹と呼ばれている細いもので

海沿いの潮風を受けて育ったものが良い、と聞いています。

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写真は、切ってから三十年くらい経った篠竹です。
四つ割りにしてから使います。
真っ直ぐなものを選んで使うのですが、割ってみると意外と
曲がっています。
適したものだけを使うのですが、さらに削ってみるまで
使えるかどうかがわかりません。

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刃を付けているところです。

小刀を固定して、竹刀を引くようにして刃を付けます。
角度がポイント!
新しく作ったときは、切れるようになるまでじっくり取り組みます。

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写真では刃の様子が分かりにくいので、おまけの一枚です。
様子がだいたい伝わったでしょうか。

続きは、次回。

箔盤のお話

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金箔、銀箔を切る台を箔盤といいます。
写真は祖父の代から使っている箔盤です。

父もずっとこれを使っていたので、三代にわたって使い続けています。

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蓋を取ると中には桐の板に鹿の皮を張った板が入っています。

この上に箔を乗せて竹の刀で箔を切ります。

こうして見ると、ずいぶん年季がはいっていますね!

工房の近くに、子供の木のおもちゃを作る作家さんがいます。
この箔盤を持って行って、同じものを作ってもらうようにお願いしました。
そうして何日か後に、出来上がったのが次の写真です。

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同じく桐で作ってもらいました。
父が元気で仕事をしていた頃だったので、私も自分用のきれいなものが
ほしいと思っていたのです。
それまでは、自作のものを使っていました。

それにしても、さすがです!
子供のおもちゃを作る感性で立派なものができあがりました。

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中は同じように、鹿の皮を張ってあります。

これを見た父が、
「オレも、ほしいな。」
なんと!

それで、もう一つお願いして作ってもらいました。
結局、父はそれを眺めて楽しんでいただけでした。
今でも皮を張らないまま、大切に保管してあります。

もう10年も以前の話です。良い思い出です。

現在私は両方の箔盤を使っています。

続きは次回。

お客様

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今日から11月です。早いです。

ここ二三日、見慣れない小鳥が工房に。
背中の下のほうから、尾羽にかけての黄色がとても良い。

ムラサキシキブの実を食べては、窓に近いところにとまって
楽しませてくれています。

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問題が二つ!

飼い猫が二匹で狙っている。

フンがそこいらじゅうに。

とはいえ、ゆっくりしていって下さいな。

米沢市にて

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山形県米沢市で、かな料紙のお話をさせていただきました。

第11回「かなを書く」書道展の会場です。

皆様熱心に聞いて下さり、質問もたくさん頂きました。

会津若松から喜多方をぬけて米沢に着く途中の峠道、
紅葉がちょうど見ごろできれいでした。

茨城県郷土工芸品展

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本日から三日間、茨城県庁にて郷土工芸品展が始まりました。

ご来店のお客様をはじめ、出店の職人さんともお話しすることが出来、
たいへん楽しい時間をすごしました。

写真は、茨城県知事の橋本さんです。
それぞれの工芸品を熱心に見学されておられました。

水戸在住の友人Tくんが、忙しい中来てくれて
なおかつ販売の手伝いまでしてくれました。感謝です。

粘葉装のお話

粘葉本和漢朗詠集は有名な古筆ですが、その装丁である粘葉装(でっちょうそう)について
説明してみようかと思います。

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写真は和漢朗詠集の粘葉装にする時の料紙です。
両面の加工がしてあります。
右の料紙がおもてになります。左が裏で、おもてと同じ色具引きがしてあり
文様はありません。
  (料紙の大きさ 245㎜×200㎜)

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おもて面が谷になるように、真ん中に折りを入れます。

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折り目を背にして、幅6㎜くらいで糊を入れ隣の紙と合わせていきます。

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実際に張り合わせた状態です。
おもて面は、しっかり平らに開きますが、裏面は糊代の分だけ
狭くなります。
こうして同じように何枚も重ねて張り合わせ、一冊の本になります。
原本は29枚の両面の料紙が折って重ねて張り合わせてあります。
一枚の料紙で4ページ分といえば分かりやすいでしょうか。

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表紙を付けて装丁の完成になります。
粘葉装の大まかな様子が分かって頂けましたでしょうか。

実際に販売している和漢朗詠集の料紙は、ほとんどが片面の加工です。
お客様が製本を前提に書くことはあまりありません。

粘葉装の古筆には、他に西本願寺本三十六人家集があります。
寸松庵色紙と継色紙ももとは粘葉装であったといわれています。

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