染料をバットに入れて、和紙をひたします。
今染めているのは雁皮(がんぴ)という和紙で、染料の表面に浮かべるようにして染めていきます。この作業では、紙に傷を付けないことと色むらにならないように気を付けることが大切です。紙に染料がしみていくのをじっくり
観察しながら一定の速度で紙を引いていく感じです。
染めた紙はS字の金具でロープに吊り下げます。この状態で乾燥させます。
乾いた紙は、ゆがみが出るのでしばらく押しをして平らにならします。
この後、ドーサを引く作業になりますが、染料の代わりにドーサ液をバットに入れて同じように紙をひたして行います。ドーサは紙のニジミを止める為の加工で、膠とミョウバンを使います。ドーサについては、また別の機会に説明しようと思います。
染めているとき、仕事場は楢の木の染料の香りでいっぱいになります。慣れない方にとってどう感じるかわかりませんが、ずっとこの香りに触れて生活しているので私にとっては、とても良い香りです。具体的にどんな香りか、私の文章力では表現するのが難しいです。
先日、教科書の出版でおなじみの光村図書さんの取材を受けました。今回の投稿で使った写真は、取材でカメラマンの方に撮って頂いたものです。
次回は、その時のお話をしようと思います。