かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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工房日記の記事一覧

みつむらグラフィック書道

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全体 表
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全体 裏
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拡大 その1
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拡大 その2
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拡大 その3
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拡大 その4
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拡大 その5
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拡大 その6
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拡大 その7

「みつむらグラフィック書道」は、大きさが842㎜×594㎜のポスター形式の教材で 裏と表に印刷されています。

表面には西本願寺三十六人歌集の4点の原本の写真と解説が載っています。裏面にはその料紙の複製を作る工程が載っています。

初めて見る方でも解りやすいように、編集して頂いています。全国の高校の書道科に配布するそうです。

このような形で記事にして頂けたことと、若い世代の方に見て頂けることは、本当にありがたい事だと感じています。

現実よりも5割増しくらい立派に仕上げてもらって、なんだか照れくさいです。

(ブログへの投稿については光村図書さんの許可を頂いています。)

和紙の染色

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染料をバットに入れて、和紙をひたします。

今染めているのは雁皮(がんぴ)という和紙で、染料の表面に浮かべるようにして染めていきます。この作業では、紙に傷を付けないことと色むらにならないように気を付けることが大切です。紙に染料がしみていくのをじっくり
観察しながら一定の速度で紙を引いていく感じです。

染めた紙はS字の金具でロープに吊り下げます。この状態で乾燥させます。
乾いた紙は、ゆがみが出るのでしばらく押しをして平らにならします。
この後、ドーサを引く作業になりますが、染料の代わりにドーサ液をバットに入れて同じように紙をひたして行います。ドーサは紙のニジミを止める為の加工で、膠とミョウバンを使います。ドーサについては、また別の機会に説明しようと思います。

染めているとき、仕事場は楢の木の染料の香りでいっぱいになります。慣れない方にとってどう感じるかわかりませんが、ずっとこの香りに触れて生活しているので私にとっては、とても良い香りです。具体的にどんな香りか、私の文章力では表現するのが難しいです。

先日、教科書の出版でおなじみの光村図書さんの取材を受けました。今回の投稿で使った写真は、取材でカメラマンの方に撮って頂いたものです。

次回は、その時のお話をしようと思います。

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楢の木の皮を煮ています。

三日間じっくりと煮込むと、仕事で使えるくらいの濃さの染料が
作れます。
薪がたくさん必要なので、楢の皮をむいた残りの木の部分
だけでは足りず、間伐材や解体した古民家の柱なども薪として
使います。

夏は汗だくで厳しいのですが、冬は暖かくて快適です。
焼き芋がおいしく焼けます!!

ボールに入っているのが、取り出した染料です。
何度か布で濾してから染の工程に入ります。

次回、染の作業です。

木の皮を削る

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茶色の染料になる楢の材木を切って、小屋に収め終わったのが上の写真です。

こうして楢の木を積んでおくと、絶好のカミキリムシの仲間の繁殖場になります。ときどき玉虫が産卵しているらしく一年の内に何匹か見かけることがあります。木の内部をかじってしまうのですが、あまり大きな影響は無いので、
そのままにしてあります。

それからナタで皮を削る作業をします。なんと効率の悪い仕事を、と思われると思いますが、こうして手で削った方が良い色がでるのです。どうしてかは分かりません。

次回は、釜で皮を煮て染料を作る工程です。

草木染

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楢(なら)の木の皮

写真は、楢の材木を仕入れたところです。使うのは皮だけで、木の部分は
皮を煮出す時の薪として使います。皮を煮て茶色の染料を作ります。
この状態では取り扱いが出来ないので、適当に三つに切って小屋にしまいます。一つが60㎝くらいの大きさになります。

この写真を見て、かな料紙にはなかなか結び付かないですよね。
通りがかりの方に、何やってるんですか?とよく聞かれます。うまく説明できません。

次の工程は、また次回の投稿で!

和紙を加工する仕事

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漬け染め(写真は染めた紙を干しているところです)

和紙を染料に漬けて染める作業をしています。
染料は、楢(なら)の皮を煮出して作った染液で、茶色に
染まります。ほどよい古色になるので、古筆を書くには
ちょうど良い落ち着いた色になります。

高野切用紙は、薄い茶色の染め紙に荒い雲母の粉が
蒔いてあります。

関戸本古今集は、濃淡の茶色の染め紙が使われています。

小島切は、茶色の染め紙に荒い雲母の粉が蒔いてあり
飛び雲と言われている小さな雲がところどころに装飾されて
います。

このような感じで、かな料紙製作に関する内容を投稿していく
予定でいます。
御訪問の皆様、どうぞよろしくお願い致します。

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