かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

メニュー

工房日記の記事一覧

和紙文化講演会in越前

DSC03761

和紙文化講演会in越前 に参加しました。
今回は初の産地見学会が企画され、大勢の方が参加されました。

24日に講演会と交流会。
25日が産地見学会でした。

写真は産地見学会当日の様子です。
(右側に見える建物が、紙の文化博物館です。)
集合地点から各工房に出発するところです。
あいにくの雨模様でしたが、紅葉がきれいでした。

多くの方から、貴重なお話をたくさんお聞きして、
何件もの紙すきの工房を見学して、内容の濃い、幸せな二日間でした。

何よりも、越前が日本を代表する和紙の産地であることが実感できました。
関係者の皆様、とても良い企画でした。ありがとうございました。

詳しくは、和紙文化研究会のサイトでご覧になって下さい。
http://washiken.sakura.ne.jp/admission/

息子の話

DSC03683

私には25歳になる息子が一人います。
染色織物の道に進んで、現在愛媛県西予市にある野村シルク博物館という所で
修業中です。

一年目の基礎コースが終わって、二年目の創作コースに進みました。
基礎コースで製作した作品を家に送ってきたので
紹介を兼ねて、取り上げてみました。

西予市野村町は、全国でも有数の質の良い絹の生産地です。
現在でも数件の養蚕農家が繭を生産しています。

野村シルク博物館では、伝統的絹織物の後継者を育成するための
プログラムが有り
全国から募集しています。

養蚕農家での研修。手による糸紡ぎ。植物染料による染色。染料植物の栽培。
機織り。和裁。など、総合的に学ぶことが出来ます。

写真は、基礎コースの修了式に自分で着た着物です。
カリヤスのミョウバン媒染で糸を染めたそうです。
そのあと、機(はた)で織り、着物の仕立ても教えてもらいながら
自分でしたそうです。

DSC03687

この反物は、蘇芳のミョウバン媒染で糸を染めたそうです。

生計を立てるのが難しい世界ですが、頑張ってほしいと思っています。

扇子のお話

DSC03634

深津扇子店さんに扇子のお話をお伺いしました。

工房にお邪魔して、いろいろと教えて頂きました。
興味を持っていて、一度お話を、と思っていたので
楽しいひと時でした。

写真は、男持ち七寸五分の扇子です。

印象に残ったお言葉。
「扇子は、閉じた状態でも開いた状態でも美しくなければならないのです。」

手に取ってみて、良さを実感しました。

DSC03635

開いてみました。
まさに、「江戸の粋」です。

DSC03620

こんな貴重な映像も。
仕立てる前の扇子の骨です。

綺麗です。

仕舞扇 (能で使います。)
舞踊扇 (日本舞踊で使います。)
飾扇 (飾るための扇で、片面だけの装飾です。)

など、用途に応じて様々な扇子があります。

かな料紙を使った、飾扇を作ってみたいと思っています。
相談に快く応じて頂きました。

DSC03628

猫さんが歓迎してくれました。
体格の良い猫さんでした。(8kgあるそうです!)

10月の催事

DSC03616

10月は二件の催事に参加します。

茨城の手しごと展

10月11日(土)~13日(月)   10時~20時
ニューポートひたちなか店  ファッションクルーズ1階メインホール

DSC03594

Art+1  オープンアトリエ

常陸太田市の文化財集中曝涼に合わせて、常陸太田市在住の五人の作家が
工房を公開します。
初の試みです!
10月18日(土)、19日(日)   10時~15時

お時間が有りましたら、ぜひお出掛けください!

風鈴

DSC03602

地域おこし協力隊の皆さんが、夏祭りのイベントで子供たちと
風鈴を作りました。

材料はすべて地元里美のものを。
お話を頂いたので、風鈴の短冊にかな料紙を使って頂きました。

今日は、わざわざ協力隊の皆さんが、報告に来てくださいました。

DSC03604

うれしいですね。

竹炭を使った風鈴の音がとてもいいので、皆様にお届けです!

協力隊の皆さん、ありがとうございました。

いい季節になりました。

DSC03573

すっかりご無沙汰をしてしまいました。

具引きをするのに、とても良い季節になりました。
今日は、絵の具を合わせる前に胡粉を煮るお話です。

水に漬けて置いた胡粉を、膠や顔料を混ぜる前に
一時間くらい弱火で煮ます。

胡粉は、水に漬けておくと緑色のカビ?のようなものが
発生します。

煮ることによってほとんど出ることが無くなります。

紙を染めてから長い時間が経過した時、
湿気など保存の条件が悪いと

紙の表面にカビのような斑点が出ることが有ります。
煮ることにより、かなり軽減されるそうです。

今の季節は膠の状態が良いので、加工をしていても
心地よさがあります。
腕が上がったわけではないですね。

パンフレット

DSC03407

工房のパンフレットを作りました。
今日、納品でした。

「かな料紙」とは、何か。
かな料紙工房とは、何をするところなのか。

この2点をテーマにして、初めて「かな料紙」と言う言葉を聞いた方でもわかるように
作ってみました。

DSC03409

パンフレットを作りたい!と思っていた時に
驚きのタイミングで、時の広告社の山本さんから
フェイスブックにアクセスがありました。

二年前、茨城県の郷土工芸品のパンフレットが作られました。「いばらき手しごと帖」です。
このパンフレットを製作されたのが時の広告社さんでした。
とても素敵なデザインでした。

パンフレットを作るときは、ここの会社に相談しよう、と思っていたので
ちょっと、話が出来過ぎです。

山本さんにパンフレットの相談をしたのが4月7日。
時の広告社さんに、見学に行ったのが4月23日。
撮影が、と順調に進んで行きました。

表紙はとてもシンプルですが、開くと素敵なデザインで
「かな料紙」が説明されています。

ウェブサイトに続いて、心強い味方が一つ増え
また地道に、かな料紙を広げていこうと思っています。

ウェアラブルカメラ

今回は、以前動画で投稿した唐紙の雲母摺りの工程を
もう一度取り上げてみました。

義弟がウェアラブルカメラを貸してくれました。
どんなものか興味深々だったので、ちょっと楽しんで使わせてもらいました。

ハチマキのようなものをして右コメカミのあたりに小型のカメラをセットします。
左手の手首にコントローラーを付けてスイッチオン。

前回もそうだったのですが、バレンで摺っている音が意外に大きいです。
すごく力を入れているように見えますが、実際は軽くしか摺っていません。

一度アップした工程の映像ですが、視点の違いを楽しんで頂けたらうれしいです。

楢材の仕入れ その2

DSC03241

染料となる楢材の仕入れの続きです。

仕入れた材木は、持つことのできる大きさに切って運びます。
一人では年齢的に無理なので、当然手伝ってもらいます。

三十代まで切って運んで、全部一人でやっていましたが
もうそんな話は遠い昔の事です。

私は、チェーンソウで切る係です。
約2mある材木を、4等分します。
仕事の合間を見て、少しづつ作業します。

DSC03174

切って置いたものを、運んでもらいます。
写真は、私の妹二人と義弟です。
何かある時は、声をかけると手伝ってくれる頼もしい存在です。

DSC03244

少しづつ作業を進めて、搬入から約二か月。
数年に一度の工房の一大行事が終わりました。

フジコーフェスティバル

今月6と7日、フジコーフェスティバルに参加しました。会場は「つくばカピオ」。
フェスティバルは、㈱会社フジコーさんが開催している住宅関連の資材や商品の見本市です。
主に工務店の方がお客様でした。

この会社の社長さんのご厚意で、茨城県の工芸品を展示するコーナーが設けられています。

DSC03195

漆作家 大西未穂さんの作品です。
地元の大子産の漆を使って、鎌倉彫と沈金の技法を得意とされています。

DSC03193

かな料紙をディスプレーに使って頂きました。
とても良い感じで、嬉しい出来事でした!

DSC03210

石鹸作家の深津その子さんの作品です。
ディスプレーがとっても素敵で、こつを色々と教えて頂きました。
オーガニック自然素材の石鹸は、使い心地がとてもなめらかです。

DSC03198

桂雛の小佐畑孝雄さんの作品です。
結城紬を使った落ち着いた雰囲気のお雛様で、一年を通して飾ることが出来ます。

DSC03202

「すずも提灯」です。
伝統的な水府提灯を作っている鈴木茂兵衛商店さんの作品です。

現代的なデザインで照明はLEDになっています。
音に反応してついたり消えたり!

DSC03197

私も、色紙やハガキなど小物を中心に展示させて戴きました。

今回は出展者の方々とのお話が楽しく、またたいへん刺激になりました。
皆様、ありがとうございました。

展覧会のお知らせ

アーカイブ