前回は基本の無地染めでしたが、今回はぼかし染めです。
写真は刷毛に絵の具を付けた状態で、左に色の付いた絵の具、
右に胡粉だけの白を付けます。
これを刷毛の動きで全体にぼかした状態にします。
ぼかした状態で絵の具の付いた刷毛で、そのまま染めます。
無地で染めるのに比べて、刷毛の動く方向が制限されるので
より丁寧に染める必要があります。
染め上がりです。
胡粉の柔らかい色の感じが、染めていて心地よい!
と感じます。
各色に染めた紙を、広げて乾燥しています。
ここで色の問題について少し書いておこうと思います。
無地、ぼかしにかかわらずお客様からのクレームで多いのが、
「前回と同じ色が無い!」
本当に申し訳ありません。
単色の絵の具を使うものでも、濃い薄いが多少でてしまいます。
紫や緑、少し渋めの色など混ぜて作る色は、作るときによって
色味が違います。
私の腕の問題!というのが一番だと思うのですが
見本を用意して色合わせをしてもなかなかピッタリ同じ色に
なりません。また、ある程度の時間の制約もあるので
近いところで妥協してしまうこともあります。
普段の仕事は、見本無しで色だしをしながら次々染めていくので
なおさら色味が変わってしまいます。
どうしても同じ色をそろえたい時は、同じ時期の製作の中から
選んで頂くのが良いかと思います。
言い訳たくさんになってしまいました。
次回、雲母摺りの工程について説明したいと思います。
プロの仕事場が拝見出来るなんてすごい事です。
心構えが仕事場に現れると言いますが、凛とした空気がありますね。
作品も素敵ですが、お仕事に向き合う姿勢が気持ちいいです。
生意気言いましてすみません。
続きが楽しみです。
梅花さん、ありがとうございます。
お褒め頂き恐縮です。
実際には、古くてぼろい仕事場なので、恥ずかしいです。
それが作り手としての気持ちだと思います。しかし、大量生産をする所でも色と言うのは、生産ロットによって変わってしまうそうです。色と言うのは本当に難しいです。私達もあの墨色でと言われても同じ色にはなりません。書き手としたら同じ色じゃない方がよい気がするのですが…やっぱりいい訳かな?書く方としたら毎回微妙に色が違う位がいいです。…濃さが違うと書かれた文字の印象が変わるから面白い。
うーん! 墨の色というと、さらに難しい。
たしかに、作品としては同じにならない方が面白い。
はじめまして
水戸さんのブログから訪問させていただきました。
私自身漢字屋ですが、和紙の加工など興味があり、また、プロの作業を細かく説明されているのには、ありがたく、感心しました。
今後ともよろしくお願いします。
崖さん、御訪問、コメントありがとうございます。
興味を持って頂けてうれしいです。
よろしくお願い致します