かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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木版 自作


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今日も、木版のお話です。
版は自分でも作ります。写真は山桜の木を使った合板です。
表面は鉋(カンナ)ではなく、超微細なベルトサンダー。
分かり安くいうと紙やすりでしょうか。
それでも、手で触るとツルツルで鉋仕上げとそれほど
変わらない感じです。
自作の木版は、この版木を使っています。

20130828_2

写真は、亀甲文様です。
寸松庵色紙や道済集や粘葉本和漢朗詠集などに使われています。
原本の印刷物から文様を写し取り、版下(原稿です)を新しい版木に
貼って、彫ります。

20130828_3

これは大波文様です。
元永本古今集や西本願寺本三十六人家集に使われています。

古筆に使われている文様は、かなりの種類になりますが
まだまだ作りたいものが多くあります。
版づくりには原稿書きから彫りまで、かなりの時間がかかるので
なかなか思うようには製作が進みません。

現在持っている版木は、財産というべきもので大切に
使っています。

コメント

  1. 梅花 2013.09.21

    素敵です。
    大波紋様は薄い藍に雲母で…などと妄想してしまいエキサイトしています。版はなんて美味しそうなんでしょうか。極上のバームクーヘンのようです。
    すみません。素人の女子の戯言でした。

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      小室 久 2013.09.21

      梅花さん、ありがとうございます。

      バームクーヘンですね!!ほんとに。

  2. TOSHIO 2013.09.21

    まさに宝物だね!それにしても美しい!!ここに修行の成果が出ていることを感じます。そして、伝えてくれた沢山の人の顔が見えます。硬くなりがちな彫が、柔らかく見えるのがとてもいい!!私も竹印、木印と格闘中ですが、本当に難しいです。砥ぎの難しさを感じるたびに、あなたの顔が浮かびます。

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      小室 久 2013.09.21

      TOSHIOさん、ありがとう!

      砥ぎは、いつまでたっても難しいです。
      彫りもまた同じくです。

  3. mis**_26 2013.09.21

    すごいものを見せていただいています。ありがとうございます。
    文様の名も教えてもらえるので、楽しいです。
    komuroさんの技も含めて、本当に大切な財産ですね

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      小室 久 2013.09.21

      mis**_26さん、ありがとうございます。

      彫りの技術は正直なところ半人前です。
      それなのに老眼が始まってしまって、困ったものです。

  4. 2013.09.21

    こんばんわ

    前回のものといい、今回のものといい、素晴らしいです。
    大波文様は立体的に表現され、古の技術の伝承の大切さを思い知らされます。

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      小室 久 2013.09.21

      崖さん、ありがとうございます。

      料紙に使われている伝統文様は、何種類かあるので
      機会を見つけて取り上げていきたいと思っています。

  5. rintarou 2013.09.21

    すばらしいですね。
    美的感覚の鋭さと卓越した技術。
    長年の鍛錬と経験の積み重ねの集大成のような気がします。
    いいもの見せていただきました。

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      小室 久 2013.09.21

      rintarouさん、ありがとうございます。

      お褒め頂いて恐縮です。
      よろしくお願い致します。

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