かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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版木の話


20130820

版木は山桜の木を使います。
山桜は、木目の柔らかい固いの差があまりなく、均一な
材質です。また固めで粘りがあるので版木にはとても
向いている木材です。

私が若い頃、版木専門に製作する職人さんがいました。
浮世絵版画はこの山桜の版木を使います。
固い木の表面を鉋(カンナ)で丁寧に削って仕上げます。
鏡の面のようにツルツルです!
写真は、その職人さんの仕上げた千社札用の版木です。
(172㎜×65㎜×24㎜)
使うことなく時々手で撫でて、感触を楽しんでいます。

六十代で亡くなられ、後継者がおられなかったので、
今は専門の職人さんは一人もいません。
現在版木は、江戸指物の職人さんに仕上げてもらって
いるそうです。

コメント

  1. TOSHIO 2013.09.21

    この撫でてと言う感覚よくわかります。職人には厳しい時代、結果を早く求められる時代だからこそ大切にしてほしいものです。お互いに時間のかかる世界だから、気持ちはよくわかります。必ず本物の職人の価値が分かる時がきますよ!

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      小室 久 2013.09.21

      じっくりじっくりアピールしていきたいです。
      少しづつアクセスしてくださる方が増えているのが
      大きな励みです!!

  2. 梅花 2013.09.21

    後継者を育てるのも大事なことですね。
    コンビニエンスでは手に入られないものがあること、最近は大分わかって来たと思います。手間と言う時間が熟成するものの風合い。
    発信する側が受け身なのも日本と言う文化なのでしょうか?

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      小室 久 2013.09.21

      梅花さん、ありがとうございます。

      「手間と言う時間が熟成するものの風合い」
      なんて良い言葉なんでしょう!!
      心に沁みます。

      後継者の育成はこれからの大きな課題です。

  3. 2013.09.21

    よく師匠に言われました、プラスチックの食器でご飯を食べてるようじゃいつまでたっても、なにを見ても、本物の良さなんか分かる訳がないって。
    小手先だけの技術で字を書いて、1,000人騙せても、1,001人目には見破る人が出てくる。本物の字を目指しなさいと・・・

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      小室 久 2013.09.21

      崖さん、ありがとうございます。

      御師匠の御言葉、重く心に残ります。

      本物はどこまでも遠くにあって、時間は驚くほど速く
      過ぎてゆきます

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