かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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桂本万葉集の料紙


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桂本万葉集の料紙を製作しました。
工程を紹介しようと思います。

原本の料紙は染紙に金銀泥を使って、鳥や草木が
描かれています。

作業は、染紙に金泥の木版と銀泥の木版の
2版をつかって文様を入れます。

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写真は、金泥を膠で解き、フノリを加えたものが
鉢に入っています。
始めに木版で金泥を摺ります。

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これは、版に金泥を付ける道具です。
桐の木の台に絹本が張ってあります。
これも、近所に住んでいる木のおもちゃ作家さんが
作ってくれました。
以前の投稿で、箔盤を作ってもらっています。

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解いた金泥を木版に付けているところです。

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ここに染紙を乗せてバレンで摺ります。

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手元の拡大です。

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金泥だけ摺りあがったところです。

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銀泥の版です。

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金と同じ道具が銀泥用にあります。

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金銀の泥で摺りあがったところです。
これで仕上がりです。

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もう一種類の桂本万葉集の料紙です。
5色くらいの染紙を使って製作します。

コメント

  1. 徳橋恭子 2016.03.29

    日本画では金泥を焼く事をします。
    水で溶いた金泥の上澄みを捨て、コンロなどの熱で炙り焼きをいれます。
    それから膠で溶いて描いて行きます。
    輝きが違います。
    版画では焼きを入れる事はなさらないですか?

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      小室 久 2016.03.30

      徳橋様

      基本、泥の溶き方は日本画と同じです。
      時間をかけて溶くほど、状態としては
      使いやすくなりますね。
      なかなか十分な時間をかけていません。
      皆様、色々と工夫をされて取り組んで
      いるようですね。

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