かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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箔を撒く その2


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今回は、箔を撒くための竹筒のお話です。

箔を紙の上に撒くために、竹筒にいれてから
作業します。

砂子や切箔は数種類の大きさが有るので
竹筒に張る網目もそれに合わせて大きさを
変えます。

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糸は、基本的にどんなものを使っても
大丈夫ではないかと思います。

写真は、絹本(絵絹)の切れ端を先のとがったもので
ほぐしているところです。

この糸を一本づつ筒の出口に張ります。

雲母摺り用のタンポを張り替える時に
必ず切れ端が出るので、利用しています。

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これは、荒い砂子を撒くためのものです。


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これは、切箔の大切を撒くためのものです。

張ってから、実際に使ってみるまでは
良いのかどうかは、わかりません。

箔が出過ぎても、その逆でも
使いにくい道具になってしまいます。

その時は作り直しです。

鹿皮が巻いてあるのは、竹筒を置いたときに
糸が直接当たるのを防ぐ為です。

持って置いての繰り返しですので
置いたときにどうしても網の面が下になり
台に当たり、糸が切れやすくなります。

コメント

  1. 徳橋恭子 2015.05.16

    繊細なお仕事ですね。
    まさか絹本の絹糸を使うとは知りませんでした。
    私など残り箔をまとめておいたものを竹筒に入れ、隈取筆でまくくらいしかやった事がありませんが、つくづく細やかな作業だと感心しきりです。

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      小室 久 2015.05.16

      徳橋様
      ありがとうございます。
      刺繍用の撚りをかけていない糸がよいと
      教えて頂いたことが有ります。
      箔が思い通りに撒けるよう、まだ工夫の余地は
      有りそうですね。

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