かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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工房日記の記事一覧

泥引き(でいびき)

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かな料紙の装飾技法に「泥引き」があります。
写真は、先日お客様がわざわざ持ってきて
見せて頂いた色紙です。
あまりに良いものなので、資料にと
写真に撮らせて戴きました。

もしよかったら、とお聞きしてみると
ブログへの掲載を快く了解して下さいました。

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横にカスミのように金泥が引かれている部分が
泥引きです。
残念ながら、私はここまで出来ません。

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これは祖父が持っていた資料の中の
泥引きの色紙です。
これもまた、良いお仕事です。

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ぜひ、自作できるようにして
ブログでアップ出来たら!
と、思っています。

広島県熊野町 筆の里工房

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4月9日(土)、広島県熊野町にある筆の里工房にて
はがき判の継紙を作るワークショップをしました。

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8日(金)に楽しみにしていた熊野町の筆屋さんを訪問。
広島駅でレンタカーを借りて、町を回りました。

「破壊と創造」-比田井天来・小琴、芸術書に捧げた生涯―
 開催中の展示を見ながら、見学させて戴きました。

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今回の講座では、シンプルなデザインではありますが
実際に仕事で行っている方法で、作ってもらいました。

簡単に料紙の説明をした後に、作業開始です。

まずは、型紙に合わせて料紙を切る工程の実演です。
アイスキと呼ばれている幅2㎜の版画刀を使って
5枚の料紙を一度に切ります。

午前026
午後014

その次に、切って貼り合わせる部分を裏側から
カミヤスリで擦り、なめらかにします。

貼り合わせる幅だけ、ずらしています。
こうすることによって、貼った時の段差が少なくなり
書くときの影響が少なくなります。
とても大切な工程です。

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ここまで実演した後で、作業を始めてもらいました。
皆様、とても真剣です!

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この後が、貼り合わせる工程です。
生麩(しょうふ)の粉を一時間ほど炊いて作った糊を
使って貼ります。
ここでも、貼り合わせる幅だけずらして
何枚かまとめて糊を付けます。

トレース台を使うと、重なり具合がはっきりわかるので
便利です。

この作業も実演をした後に始めてもらいました。

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5枚の料紙を一度に切って、それぞれ組み合わせを
替えて貼り合わせます。

いろいろな継紙が出来上がります。

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参加された皆様が、無事に5枚の継紙を完成!!
2時間の中で仕上げる事が出来ました。

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午前の部30人、午後の部30人の応募が
ほぼ満席でした。

参加して頂いた皆様、ありがとうございました。
「楽しかった!」とお声をかけて頂き、一安心です。

筆の里工房のスタッフの皆様に、たくさん助けて
頂きました。感謝です。

 (写真は、すべてスタッフの方が撮影しました!)

桂本万葉集の料紙

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桂本万葉集の料紙を製作しました。
工程を紹介しようと思います。

原本の料紙は染紙に金銀泥を使って、鳥や草木が
描かれています。

作業は、染紙に金泥の木版と銀泥の木版の
2版をつかって文様を入れます。

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写真は、金泥を膠で解き、フノリを加えたものが
鉢に入っています。
始めに木版で金泥を摺ります。

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これは、版に金泥を付ける道具です。
桐の木の台に絹本が張ってあります。
これも、近所に住んでいる木のおもちゃ作家さんが
作ってくれました。
以前の投稿で、箔盤を作ってもらっています。

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解いた金泥を木版に付けているところです。

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ここに染紙を乗せてバレンで摺ります。

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手元の拡大です。

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金泥だけ摺りあがったところです。

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銀泥の版です。

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金と同じ道具が銀泥用にあります。

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金銀の泥で摺りあがったところです。
これで仕上がりです。

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もう一種類の桂本万葉集の料紙です。
5色くらいの染紙を使って製作します。

梅津会館のひなまつり

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梅津会館にて、小佐畑さんの「桂びな」と
かな料紙の
コラボ展示が始まります。

本日、搬入をしてきました。

感想は?

予想以上でした!!
かな料紙がお雛様に引き立てられて
とても良く見えます。

期間が一カ月有りますので、多くの皆様に
ご覧頂けましたら嬉しいです。

 

 【梅津会館のひなまつり】
  
  常陸太田市郷土資料館梅津会館

  平成28年3月1日(火)~31日(木)
    休館日 7日・14日・22日・28日

    午前9時~午後5時

    お問い合わせ   常陸太田市郷土資料館
               0294-72-3201

紙を染める 糸を染める

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紫根の試し染をしています。
太郎は今まで染色をしていましたので
工房であまり使わなかった染料を
試作してもらっています。
紫根は、使っていましたが
今回は、染め方が自己流だったので
技法の確認のために試してもらいました。

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紙の試し染めを見て、
「え!何これ。」という感じ。
色が薄すぎます。
「こんなので、糸が染まるの?」
と、いう私に糸を染めて見せてくれたのが
最初の写真です。
染めた後の水洗いをしているところです。

紙を染めたものと同じ染料です。
染まるのを見ていて、驚きと感激と。
紙と糸の差を感じました。

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乾燥しているところです。

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以前、今回の試しとは別の機会に染めた料紙です。
少し楢の染料を混ぜて、古色にしています。

紫根はむらさき草の根で、古来より染色に
使われています。

広島でワークショップ

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4月9日(土)に広島県熊野町にあります「筆の里工房」にて
ワークショップを開催することになりました。

    午前の部  10時30分から12時30分
    午後の部  13時30分から15時30分
      午前、午後とも同じ内容です。
      各回30人づつの募集です。
      事前の申し込みが必要です。

当日は料紙の説明をしてから、参加者の皆様に
継紙を体験して頂く予定です。

熊野町は有名な筆の町です。
一度、行ってみたいと思っていましたので
とても楽しみにしています。

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パンフレットは天来先生と小琴先生の特別展です。
このような時期にやらせて戴けることは
とてもありがたいことだと思っています。

お近くの方で、このブログをご覧になりましたら
ぜひ、お出かけになって下さい。

香川手袋

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革手袋の製造をされている、香川県東かがわ市の
平田商店さんが遠方工房の見学にいらっしゃいました。

料紙の説明をした後、手袋のお話をゆっくり伺うことが
出来ました。

東かがわ市は、日本で発売されている手袋の90%を
手がけているほどの手袋の町だそうです。

新しいことに挑戦するために、積極的に
異素材、異ジャンルとのコラボレーションなどの
活動を行っているのだそうです。

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平田商店の平田哲也氏とお話をしていて、
お客様の手の事を大切に物作りをされていることが
伝わってきました。

見せて頂いた革の手袋に手を入れてみて、
驚くほどの心地よさ!
内側はカシミヤで作られていました。

仕事に対する姿勢など、たくさん学ばせて戴きました。

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と、ここでサプライズ!
平田さん、手袋用の型紙を取りだし私の手を。
そして太郎の手まで採寸して下さいました。
なんと、オーダーメイドの手袋のプレゼントです!
感激です!

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全く未知の分野に触れて、とても楽しい時間を
過ごすことが出来ました。

平田さん遠いところありがとうございました。

「香川手袋」、ぜひ注目して下さい。

 
1888手袋ラボ

   http://gloves-kagawa.jp/
 
平田商店
  http://www.hirata-glove.com/index.html

今年もよろしくお願い致します。

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御年賀状を多くの方から頂きました。
ありがとうございました。

もう何年も年賀状から離れていたので
今年こそは!と思い、早めに買っておきました。

しかし、未だそのまま眺めております。
今年も出せそうにありません。すみません。
頂いた皆様に心から感謝申し上げます。

写真は、具引きをした紙の巻ぐせをとっているところです。

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全体を写すとこんな感じです。
ヘリがどうしても表に向かって巻いてしまいます。
それを逆に巻いて、平らになるようにしています。

1月3日のテレビ放送のその後のお話を。

【ウェブサイト】
テレビに映った時間帯が午後10時15分くらい。
そこから、日付の変わる午前0時までに約3800件のアクセスと
約15000のページビュウが有りました。
(アクセスログのデータです。)
一時、つながらなくなっていたそうです。
テレビの影響力は、大きいですね!

【お問い合わせ】
初めての方からメールにてお問い合わせを
何件か頂きました。

その中で、返信不能のメールが何件かありました。
返信しても、出来ない表示が出てしまいます。
私の知識では対応できません。

主に、工房の見学と販売についてでした。
工房の見学は受け付けております。
ただ、現在お申し入れがいつもより多く、
今連絡を頂いても、3月以降にお願いしています。

販売に関しては、工房でも販売はしています。
注文製作を中心に作業しておりますので、
在庫が無い場合が有ります。
ご了承ください。

【再放送】
テレビ大阪視聴者センターに問い合わせたところ
未定とのことでした。

【御礼】
多くの方に、見て頂くことが出来ました。
ありがとうございました。

「見たよ!」の電話とメールをたくさん頂きました。
感謝です。

今年も不定期ですが投稿続けて行こうと思います。
よろしくお願い致します。

TVの撮影

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テレビ番組の撮影をしました。

放送は1月3日(日)、午後8時54分から2時間20分。
  「テレビ大阪 和風総本家 日本の職人24時」
         (関東地方 テレビ東京 7チャンネル)

何組か出演する中の一組として出ていますので、
何時頃の時間帯になるのかは、わかりません。

今回の件で、友人で書家の田山稔夫君を巻き込んでしまいました。
すごく忙しいところ、撮影の時間を無理に作ってもらいました。
ありがとう!!感謝してます。

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予告編の動画の一番最後に工房の全員(3人ですが)で
ちょこっと写っています。

http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/wafu/

台本なしに次々質問されて、まとまらない話をアタフタと。
どんなふうに編集されているでしょうか。
ちょっと、ドキドキです。

お時間ありましたらご覧ください。

(ブログへの投稿について、担当ディレクターさんの許可を頂いています。)

展示会、無事に終了しました。

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桃花堂さんでの展示「かな料紙の世界」が終わりました。

これで、「郷土工芸品展」、「常陸太田手仕事展」、
「いばらきの手しごと展」、と続いた秋の4件の展示会が
無事に終了致しました。

ご来場頂きました多くの皆様に、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。

また、桃花堂さんをはじめ主催者の皆様にたいへんお世話に
なりました。

「かな料紙を一人でも多くの方に知ってもらおう!」
と言う試みは、来年も続けます。

現在、来年の予定が3件進行中です。

ぜひ、またお会い出来ますことを。

(写真は桃花堂さんの中庭です。紅葉が見ごろです。)

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