かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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工房日記の記事一覧

箔を撒く その2

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今回は、箔を撒くための竹筒のお話です。

箔を紙の上に撒くために、竹筒にいれてから
作業します。

砂子や切箔は数種類の大きさが有るので
竹筒に張る網目もそれに合わせて大きさを
変えます。

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糸は、基本的にどんなものを使っても
大丈夫ではないかと思います。

写真は、絹本(絵絹)の切れ端を先のとがったもので
ほぐしているところです。

この糸を一本づつ筒の出口に張ります。

雲母摺り用のタンポを張り替える時に
必ず切れ端が出るので、利用しています。

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これは、荒い砂子を撒くためのものです。


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これは、切箔の大切を撒くためのものです。

張ってから、実際に使ってみるまでは
良いのかどうかは、わかりません。

箔が出過ぎても、その逆でも
使いにくい道具になってしまいます。

その時は作り直しです。

鹿皮が巻いてあるのは、竹筒を置いたときに
糸が直接当たるのを防ぐ為です。

持って置いての繰り返しですので
置いたときにどうしても網の面が下になり
台に当たり、糸が切れやすくなります。

箔を撒く その1

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今日から金箔、銀箔を撒いて料紙を装飾するお話を
数回に分けて投稿しようと思います。

まず箔を定着させる為の接着剤の役目をする液を
作ります。

使用する紙にはドーサが引いてあり、にじまないように
してあります。
箔の装飾で、ドーサはとても大切です。
ある程度ドーサが効いていないと
箔の定着が良くありません。

どの程度?と言う質問にはっきりとした言葉で
答えられません。
すみません。

良い加減を何とかうまく伝えたい!
と思うのですが。

話を進めます。

ドーサが引いてある紙に箔を撒く、と言う状況で
お伝えしようと思います。
いろいろな紙を使うことになると思いますが
すべてドーサが引いてあり、にじまない紙を使っています。

写真は三千本膠とフノリです。
三千本膠が、一本でだいたい12gくらいです。
フノリは目安でその1割くらいの量です。

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三千本膠はこのままでは溶かしにくいので

布に包んで折ります。
気を付けないと、けっこう鋭い破片になります!

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それからコップに1杯くらいのお湯を入れて
湯煎して溶かします。
これくらいの量でしたら、それほど時間はかからないと
思います。

フノリと膠を混ぜた溶液は、傷みやすいので
少量をその都度作るようにしています。

溶けたら布で濾して、箔を撒くための接着剤の
原液の出来上がりです。

筋切(すじぎれ)の料紙

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筋切の料紙を作っています。

染め紙に荒い砂子を撒いてから、飛び雲を書き込みます。
写真は、線を入れて乾燥させているところです。

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もともとは歌合せの横に線の入った料紙を
90度回転させて、縦に線がくるようにして使っています。

線を料紙の景色として見立てています。
原本をみると、飛び雲が縦になっていたり、
描き模様が横向きだったりしています。

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線は銀泥を膠で解いたものを、カラス口で引いています。

カラス口は製図の機械化に伴い、
今はほとんど作られていないと聞いています。

大切な道具です。

木版を並べて

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唐紙の雲母摺り(きらずり)をしています。

通常使う木版の種類が30くらいあります。

木版は摺る前に充分湿しておかなければならないので
一度全体を軽く洗って、濡れたタオルをのせておきます。

摺っているときは、次に使う木版がタオルののった状態で
待っています。

使い終えた木版は、すぐに洗って乾かします。
写真は、ある程度仕事が進んで、洗い終わった木版が
並んでいるところです。

まだ雲母がだいぶ付いているものがありますね。
写真を撮ってみると見ている以上によく解ります。

英訳

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かな料紙のウェブサイトを英訳して頂き
今月から公開になりました。

ウェブデザイナーさんが、探して下さり
驚くことにボランティアの方に翻訳をお願いしました。

とても熱心に取り組んで下さり、立派な英語版の
サイトになりました。

人と人のつながりのありがたさを実感しています。
デザイナーさんを紹介して下さった方から始まり
不思議なご縁の連続でここまで出来上がりました。
ただただ感謝!です。

もう一つ、スマートフォン対応になりました。
スマホでも快適に見ることが出来ます。
私はいまだにガラケイなので、写真は妹のスマホです。

世界中の多くの方に見て頂ける事を願って。
今年も頑張ってブログとサイトの更新を続けます。

銀泥を

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写経用の藍紙に銀泥で文様を摺ってみました。

実際に料紙として使われることは、ほとんどありません。

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銀泥が割とたくさん必要なので 狭い範囲で摺ったものを撮影しています。

画像はかなり拡大になっています。 その分、荒が目立ちますね!

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写経用紙の天地の装飾など、実際には文字を書かない部分の装飾に
使えると思います。

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工芸品などへの応用を考えています。

猪牙(ちょき)で丁寧に磨くと、 銀泥、金泥で書かれた経文と同じように、
輝きが出てきます。

飾り扇 

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飾り扇用に料紙をつくりました。
普通に使う扇面は、ここまでの装飾は必要ないかと思います。
個人的には一番手前の唐紙が好きです。
でも、飾るにはちょっと地味。

扇に仕立てた時にどのような印象になるか、
いろいろ試してみようと思っています。

実際に飾った時に、場所によっての印象の差も
有りそうです。

工芸品的な作り方で、学ぶことも。

ちょっと楽しい作業でした。
これから、扇子職人さんの工房に送ります。
続きは、また追って投稿します。

和紙文化講演会in越前

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和紙文化講演会in越前 に参加しました。
今回は初の産地見学会が企画され、大勢の方が参加されました。

24日に講演会と交流会。
25日が産地見学会でした。

写真は産地見学会当日の様子です。
(右側に見える建物が、紙の文化博物館です。)
集合地点から各工房に出発するところです。
あいにくの雨模様でしたが、紅葉がきれいでした。

多くの方から、貴重なお話をたくさんお聞きして、
何件もの紙すきの工房を見学して、内容の濃い、幸せな二日間でした。

何よりも、越前が日本を代表する和紙の産地であることが実感できました。
関係者の皆様、とても良い企画でした。ありがとうございました。

詳しくは、和紙文化研究会のサイトでご覧になって下さい。
http://washiken.sakura.ne.jp/admission/

息子の話

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私には25歳になる息子が一人います。
染色織物の道に進んで、現在愛媛県西予市にある野村シルク博物館という所で
修業中です。

一年目の基礎コースが終わって、二年目の創作コースに進みました。
基礎コースで製作した作品を家に送ってきたので
紹介を兼ねて、取り上げてみました。

西予市野村町は、全国でも有数の質の良い絹の生産地です。
現在でも数件の養蚕農家が繭を生産しています。

野村シルク博物館では、伝統的絹織物の後継者を育成するための
プログラムが有り
全国から募集しています。

養蚕農家での研修。手による糸紡ぎ。植物染料による染色。染料植物の栽培。
機織り。和裁。など、総合的に学ぶことが出来ます。

写真は、基礎コースの修了式に自分で着た着物です。
カリヤスのミョウバン媒染で糸を染めたそうです。
そのあと、機(はた)で織り、着物の仕立ても教えてもらいながら
自分でしたそうです。

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この反物は、蘇芳のミョウバン媒染で糸を染めたそうです。

生計を立てるのが難しい世界ですが、頑張ってほしいと思っています。

扇子のお話

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深津扇子店さんに扇子のお話をお伺いしました。

工房にお邪魔して、いろいろと教えて頂きました。
興味を持っていて、一度お話を、と思っていたので
楽しいひと時でした。

写真は、男持ち七寸五分の扇子です。

印象に残ったお言葉。
「扇子は、閉じた状態でも開いた状態でも美しくなければならないのです。」

手に取ってみて、良さを実感しました。

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開いてみました。
まさに、「江戸の粋」です。

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こんな貴重な映像も。
仕立てる前の扇子の骨です。

綺麗です。

仕舞扇 (能で使います。)
舞踊扇 (日本舞踊で使います。)
飾扇 (飾るための扇で、片面だけの装飾です。)

など、用途に応じて様々な扇子があります。

かな料紙を使った、飾扇を作ってみたいと思っています。
相談に快く応じて頂きました。

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猫さんが歓迎してくれました。
体格の良い猫さんでした。(8kgあるそうです!)

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