かな料紙 - 小室かな料紙工房 -

伝統的製造方法で、書道用かな料紙を製作しています。このWebサイトでは、製作に係わる職人の立場から、かな料紙の作り方や種類など説明したいと思います。

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工房日記の記事一覧

ふたつの手仕事展

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10月は展示会が2件あります。

【常陸太田手仕事展】

常陸太田市で活動する工芸作家の展示会です。
会場の梅津会館は一見の価値ありです。
旧常陸太田市庁舎で、現在は郷土資料館になっています。
二階が多目的なホールになっていて
コンサートなどのイベントも開催されています。

今回はその広いホールを使っての
展示です。
地元常陸太田では初の作品展示になります。

少し大きなものも出展してみようかと。

3日(土)と4日(日)、会場にいます。

常陸太田手仕事展

  会場  梅津会館 二階
       その他  オープンギャラリー倉
             やえちゃんち
              Cafe+1
  会期  2015年 10月1日(木)~4日(日)
        午前9時~午後5時

【いばらきの手しごと展】

茨城県の郷土工芸品の展示会です。
会場のジョイフル本田ひたちなか店は
国立海浜公園に隣接していて
会期のころには、コキアが見ごろになっているでしょう。

17日(土)と18日(日)、会場にいます。

いばらきの手しごと展

  会場  ニューポートひちなか内ファッションクルーズ1Fメインホール

  会期  2015年10月15日(木)~19日(月)
        午前10時~午後8時

 お時間がありましたら、ぜひお出掛け下さい。

茨城県郷土工芸品展

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今年も茨城県郷土工芸品展に出展します。

「料紙に書いてみよう!」
 今回は、友人の書家田山稔夫君の協力で
 ワークショップを行います。
 田山君の指導でその場でお客様に料紙に
 書いて頂こうと思っています。
 お客様のお好きな漢字一文字か二文字を
 書体や書き方を田山君が優しく指導致します。
 
 ハガキサイズと色紙サイズの2種類を用意して
 出来たものを、郷土工芸品の石岡杉細工さんの
 ハガキ掛け、色紙掛け、に飾って頂こう!
 という、三者によるコラボレーション企画です。

 多くの皆様の参加をお待ちしています。

  【メインにご用意した商品のご紹介】
     無地砂子ハガキサイズ料紙 216円(税込)
     石岡杉細工ハガキ掛け   800円(税込)
                合計   1,016円(税込)
              特別価格   900円(税込)

     継ハガキサイズ料紙     756円(税込)
     石岡杉細工ハガキ掛け   800円(税込)
                合計   1,556円(税込)
              特別価格  1,400円(税込)


 茨城県郷土工芸品展

  平成27年9月4日(金)5日(土)6日(日)
    茨城県庁2階県民ホール
      午前10時~午後4時

 お時間ありましたら、どうぞお出かけください。

飾扇(かざりおおぎ)

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料紙を飾扇に仕立ててもらいました。
仕舞扇(しまいせん)と言う大きさです。
能に使われている扇だそうです。

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仕立てる前の写真です。
フェイスブックとツイッターには一度投稿したので
覚えていらっしゃる方も多いと思います。

草木染による染紙に箔装飾が施してあり
破継になっています。

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今回は2点製作しました。
もう一つも載せてみます。

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仕立てる前の写真です。
同じく草木染による染紙に加工してあります。

右側の場面は型砂子による装飾です。
左側は木版に銀泥を絵の具として摺っています。
切継になっています。

扇は様々な大きさや様式のものがあるので
何種類か作ってみたいと思っています。

カスミ(砂子)

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今日は「カスミ」と呼ばれる砂子の振り方のお話です。
横カスミ、棒カスミなどと呼ばれることも。
使う砂子は型砂子と同じく一番細かいタイプの砂子です。

源氏物語絵巻の詞書の料紙にに多く使われています。
また、平家納経にも使われています。

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カスミの大きさに合わせて何種類かの太さの異なる
竹筒が有ります。
型砂子の時と同じように、布が張ってあります。

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膠とフノリの溶液を接着剤とするのは今までと同じです。

刷毛で溶液を引いたところに、カスミを振ります。

一か所づつ、金属の小さな棒でたたいて
カスミの形を整形していきます。

たたく道具は基本的にいろいろ試してみて
使いやすいものが良いのだと思います。
特に決まったものではないと思います。

風は厳禁です。
ほんのわずかな空気の流れが、整形の邪魔をします。

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前回と同じように押さえます。
一か所づつ押さえるので、小さな押さえ紙の方が
作業はしやすいと思います。

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砂子の撒き方によって、全体の雰囲気が変わります。
古筆によって形は様々です。

4つ目は古筆ではあまり見かけませんが
雰囲気が柔らかいので載せてみました。

型砂子

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型砂子についてお話をしようと思います。

写真は源氏物語絵巻の詞書の料紙、「夕霧」の
下の方にある型砂子です。

原本の写真は黒くなっていますが、
もともと銀の砂子が変色したものです。

使用する砂子は、一番細かいタイプのものです。
詳しい作り方は、以前の投稿でご覧ください。

  http://kanaryoshi.com/997/

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渋紙に、原本の線を転写して型紙を作ります。

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型紙はある程度示しておきます。
湿したタオルを乗せて全体に平均に湿るようにします。

そうしないと紙に乗せた時に、膠を引いた紙の水分を
吸ってしまい波打って隙間が出来たりします。

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膠とフノリをといで薄めたものは、前回と同じです。
同じように刷毛で紙の表面に引きます。
茶色で撮影したものは、砂子が分かりにくかったので

ここから藍色の染紙に替えました。

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型紙を乗せます。

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砂子を入れた竹筒で、端から撒いていきます。
砂子が細かいので、竹筒の出口には布が張ってあります。
撒き終えたら、前回と同じように押さえ紙を乗せて
手で砂子を押さえます。

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型紙を外してから、乾燥させます。

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型の違う型紙で撒いたものです。

箔を撒く その4

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今日はトメドーサについてです。

箔を撒いてから、よく乾かし、それから「トメドーサ」を引きます。
ドーサ液については、2013年7月12日の投稿をご覧ください。

     http://kanaryoshi.com/518/

ニジミを止めるためのドーサ液に比べて
ミョウバンの量を半分くらいにします。
また、さらに薄めに合わせます。

これも加減は、職種によって変わると思われますので
参考という事にして下さい。

写真は、箔を撒いてから一度良く乾かした紙に
トメドーサを引いているところです。

トメドーサを引いたら、そのまま乾かします。

【トメドーサの効用】
 〇箔がよりよく定着する。
 〇箔上の墨の乗りが良くなる。
 〇銀の変色を遅らせる。

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特に銀はそのままだとすぐに変色がはじまります。

写真は、銀箔を紙に平押ししてから10年経過したものです。

片方にだけトメドーサが引いてあります。
そのままだと数カ月で色が変わっていくのが分ります。

銀箔はそれでも少しづつ色が変化します。
古筆の中でも源氏物語絵巻の詞書の料紙は
800年を経て、かなり銀箔が黒くなっています。

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写真は、私の祖父の手による料紙です。
もう50年以上にはなると思います。

だいぶ黒くなってきています。

変色は周りの環境にもかなり影響をうけますので
保存の仕方にもよるのだと思います。

箔を撒く工程を4回に分けて投稿しました。
大まかな作業の流れをおわかり頂けたでしょうか。

箔を撒く その3

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今回は、紙に薄めた膠の溶液を刷毛で引いて
荒い砂子を撒いてみようと思います。

荒い砂子の作り方は2014年1月28日の投稿をご覧ください。
   http://kanaryoshi.com/987/

写真は、膠の溶液を薄めたものが
バットに入っています。

薄める、と言ってもどのくらいかわかりにくいですね。
普段は、量ったことはありません。

もう一回作り直して、今度は量ってみました。
原液は三千本膠一本(約12g)にフノリ(1.2g)を
200ccの水で溶かします。

濾したこの原液を25ccに対して、お湯を
350cc~450ccくらいの感じで薄めます。

数字にするとこのくらいでしょうか。
あくまでも目安ですので、実際に撒いてみて
濃くしたり、薄くしたりと調整します。

刷毛は馬の毛のものを使っていますが
羊毛の水刷毛を使っても大丈夫です。

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分りやすいように、写経用の紫紙に
撒いてみます。

刷毛に適量を含ませ、横、縦、横、縦、位の感じで
紙に薄めた溶液を引きます。

含ませる量は数字では表せませんので、
適量です。

含ませる量が少ないと刷毛が
動かし難くなります。

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竹筒に入れた荒い砂子を全体に
撒きます。

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そのあと、押さえ紙を乗せて
上から、掌で擦るようにして押さえます。
押さえた紙に砂子がたくさん付いてしまう
時は、溶液の付け過ぎ、または濃すぎる
事が原因です。

紙は色々なものが使えます。
写真は、ボーガスペーパーです。
くしゃくしゃと丸めて、クッションに使う
為の割安の再生紙です。

新聞紙でも大丈夫です。
ただ最低でも半年より古いものを
使って下さい。
インクが落ち着いて料紙を汚す
確率が少なくなります。
理想は3年くらい。

出来たら全開に広げたものを
重ねて押しをします。
さらに直径20㎝くらいに巻いて
保存しておきます。
しわが比較的きれいになって
使いやすくなります。
新聞巻が何本かいつも作り置きして
あります。
何にでも使えてとても重宝します。

すみません。
話がそれました。

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写真は、荒い砂子、中くらいの砂子、細かい砂子
を撒いたものです。
砂子を作るフルイの目の大きさによって
変わります。

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荒い砂子を使った古筆の料紙の中で
写真は、筋切の料紙と大字朗詠集の
料紙です。
どちらも、金と銀の荒い砂子が撒かれています。

箔を撒く その2

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今回は、箔を撒くための竹筒のお話です。

箔を紙の上に撒くために、竹筒にいれてから
作業します。

砂子や切箔は数種類の大きさが有るので
竹筒に張る網目もそれに合わせて大きさを
変えます。

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糸は、基本的にどんなものを使っても
大丈夫ではないかと思います。

写真は、絹本(絵絹)の切れ端を先のとがったもので
ほぐしているところです。

この糸を一本づつ筒の出口に張ります。

雲母摺り用のタンポを張り替える時に
必ず切れ端が出るので、利用しています。

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これは、荒い砂子を撒くためのものです。


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これは、切箔の大切を撒くためのものです。

張ってから、実際に使ってみるまでは
良いのかどうかは、わかりません。

箔が出過ぎても、その逆でも
使いにくい道具になってしまいます。

その時は作り直しです。

鹿皮が巻いてあるのは、竹筒を置いたときに
糸が直接当たるのを防ぐ為です。

持って置いての繰り返しですので
置いたときにどうしても網の面が下になり
台に当たり、糸が切れやすくなります。

箔を撒く その1

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今日から金箔、銀箔を撒いて料紙を装飾するお話を
数回に分けて投稿しようと思います。

まず箔を定着させる為の接着剤の役目をする液を
作ります。

使用する紙にはドーサが引いてあり、にじまないように
してあります。
箔の装飾で、ドーサはとても大切です。
ある程度ドーサが効いていないと
箔の定着が良くありません。

どの程度?と言う質問にはっきりとした言葉で
答えられません。
すみません。

良い加減を何とかうまく伝えたい!
と思うのですが。

話を進めます。

ドーサが引いてある紙に箔を撒く、と言う状況で
お伝えしようと思います。
いろいろな紙を使うことになると思いますが
すべてドーサが引いてあり、にじまない紙を使っています。

写真は三千本膠とフノリです。
三千本膠が、一本でだいたい12gくらいです。
フノリは目安でその1割くらいの量です。

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三千本膠はこのままでは溶かしにくいので

布に包んで折ります。
気を付けないと、けっこう鋭い破片になります!

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それからコップに1杯くらいのお湯を入れて
湯煎して溶かします。
これくらいの量でしたら、それほど時間はかからないと
思います。

フノリと膠を混ぜた溶液は、傷みやすいので
少量をその都度作るようにしています。

溶けたら布で濾して、箔を撒くための接着剤の
原液の出来上がりです。

筋切(すじぎれ)の料紙

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筋切の料紙を作っています。

染め紙に荒い砂子を撒いてから、飛び雲を書き込みます。
写真は、線を入れて乾燥させているところです。

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もともとは歌合せの横に線の入った料紙を
90度回転させて、縦に線がくるようにして使っています。

線を料紙の景色として見立てています。
原本をみると、飛び雲が縦になっていたり、
描き模様が横向きだったりしています。

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線は銀泥を膠で解いたものを、カラス口で引いています。

カラス口は製図の機械化に伴い、
今はほとんど作られていないと聞いています。

大切な道具です。

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