胡粉を膠で良く練るところから、仕事の始まりです。
毛足の短い刷毛で濃いめの状態で膠と胡粉をよくなじませます。
さらに染める色に合わせて絵の具を加えます。
写真は、藍色の絵の具を入れて、程よく薄めて
染める状態にしたものです。
刷毛は、馬の毛でわりと毛がしっかりしたものを使います。
胡粉(ごふん)
イタボガキの貝殻を十年から十五年くらい天日でさらし
石臼で引いて粉にしたものです。
日本人形、日本画、などに使われ、そのままだと
温かみのある独特の白になります。
あらかじめドーサを引いてにじまないようにした雁皮紙に
刷毛で染めている写真です。
縦横に何度も刷毛を動かして、染むらの無いように
作業をします。
広げて乾燥しているところです。
全体を通して、
膠の加減に気を付ける事が大切です。強すぎても
弱くても、後々問題が出てきます。
数字で表せないので、作業をしてみて感じて覚える
しかありません。
乾燥が仕上がりに影響するので、天気の良い
よく乾く環境が理想です。
梅雨時の高温で湿度の高い状態は、いちばんむずかしい
季節です。
次回も又、下地作りの続きをアップしようと思います。
膠の加減は手に伝わるとか、刷毛に伝わるとかの感じでしょうか?
まさに職人の技と自然との対話ですね!
そうですね。膠が強いと刷毛に伝わる抵抗が大きく
弱いと小さくなります。また、刷毛に付ける絵の具の量は、
多いと抵抗が弱く、少ないと大きくなります。
膠の加減と刷毛に付ける絵の具の量が丁度良いと
仕上がりもきれいで、作業も順調に進みます。
いまだに、ベストの加減かどうかの確信的な自信が無く
よりベストの状態に近づける努力をする、と言った方が
良いかと思っています。
仕事が美しいですねー。
以前、日本画を描いていた時、胡粉と膠には本当に悩まされました。
唐紙のベースになる部分。雲母の煌めきがもう見えるようです。
良い目養いになりました。
梅花さん、ありがとうございます。
胡粉と膠、たぶん一生のテーマです。