型砂子についてお話をしようと思います。
写真は源氏物語絵巻の詞書の料紙、「夕霧」の
下の方にある型砂子です。
原本の写真は黒くなっていますが、
もともと銀の砂子が変色したものです。
使用する砂子は、一番細かいタイプのものです。
詳しい作り方は、以前の投稿でご覧ください。
渋紙に、原本の線を転写して型紙を作ります。
型紙はある程度示しておきます。
湿したタオルを乗せて全体に平均に湿るようにします。
そうしないと紙に乗せた時に、膠を引いた紙の水分を
吸ってしまい波打って隙間が出来たりします。
膠とフノリをといで薄めたものは、前回と同じです。
同じように刷毛で紙の表面に引きます。
茶色で撮影したものは、砂子が分かりにくかったので
ここから藍色の染紙に替えました。
型紙を乗せます。
砂子を入れた竹筒で、端から撒いていきます。
砂子が細かいので、竹筒の出口には布が張ってあります。
撒き終えたら、前回と同じように押さえ紙を乗せて
手で砂子を押さえます。
型紙を外してから、乾燥させます。
型の違う型紙で撒いたものです。
細やかな仕事ですね。
こうしてみると、銀は儚い感じがしますね。
変色する事も時間の流れを感じられる氣がします。
私はこの型が大好きです。
遠近感はもとより時の流れも表現出来る様です
( ̄▽ ̄)
徳橋様
時の流れ、素敵な言葉です。
この型を使っている同じ場面の上の方が
複雑で、どうやって対応しようか検討中です。
素晴らしい繊細な技術ですね
瀬畑様
なかなか技術が追い付かないのが
現状です。
少しづつ、装飾の技術を紹介して
行けたらと思います。