今日はトメドーサについてです。
箔を撒いてから、よく乾かし、それから「トメドーサ」を引きます。
ドーサ液については、2013年7月12日の投稿をご覧ください。
ニジミを止めるためのドーサ液に比べて
ミョウバンの量を半分くらいにします。
また、さらに薄めに合わせます。
これも加減は、職種によって変わると思われますので
参考という事にして下さい。
写真は、箔を撒いてから一度良く乾かした紙に
トメドーサを引いているところです。
トメドーサを引いたら、そのまま乾かします。
【トメドーサの効用】
〇箔がよりよく定着する。
〇箔上の墨の乗りが良くなる。
〇銀の変色を遅らせる。
特に銀はそのままだとすぐに変色がはじまります。
写真は、銀箔を紙に平押ししてから10年経過したものです。
片方にだけトメドーサが引いてあります。
そのままだと数カ月で色が変わっていくのが分ります。
銀箔はそれでも少しづつ色が変化します。
古筆の中でも源氏物語絵巻の詞書の料紙は
800年を経て、かなり銀箔が黒くなっています。
写真は、私の祖父の手による料紙です。
もう50年以上にはなると思います。
だいぶ黒くなってきています。
変色は周りの環境にもかなり影響をうけますので
保存の仕方にもよるのだと思います。
箔を撒く工程を4回に分けて投稿しました。
大まかな作業の流れをおわかり頂けたでしょうか。
うーん。日本画現役時代に小室さんと知り合いたかったです。箔の扱いは素人には無理だと金泥に逃げていました。でも簡単に出来るものじゃない事はよーく分かります(笑) ドーサも膠も胡粉も泣かされ続けていましたが…(^_^;)
銀の変色は防ぐのは限界があるんですね。
酒井抱一の屏風など本当はどんな輝きだったのか?
想像しています。
徳橋様
ありがとうございます。
実のところ私もどこまでわかっているのか。
いつまでも手探りしている感じがあります。
銀は歳をとるので人間みたいですね。